あきらめ癖

大人も子どもも関係なく、成功の要因は「継続」です。努力と取り組みを継続した人は、他の分野に取り組むのも積極的ですし、また努力を継続できます。諦めずにやるべきことをやり続け、壁にぶつかったならば模索し、やり続ける。こういった努力は「やり抜く習慣」として子ども時代から身に着けることができれば、将来にわたって大きな力となります。
 そこで、子どもに習い事などの継続をするように励ますのですが、そこで「あきらめ癖」ともいうような状況に出くわします。すぐに「無理」とあきらめてしまう。あるいは取り組む前から「無理」と決めて挑戦しないといった状況です。こういったあきらめの原因は、およそ次の3つとされています。
(1) 自信の不足
(2) 成功経験の不足
(3) 繰り返し(習慣)の欠如
継続のためには、成績ではなく努力(過程)を褒められること、適切な手本を提示することが基本です。その上で、3つの原因について対応を考えてみます。
「自信の不足」に対しては、子ども本人がやり遂げる経験を重ねることが大切になります。ですから、子どもが取り組むことに口出しや手出しをしないことが必要になるでしょう。出来栄えよりも、子どもが「できた」という満足感を得ることを目的とした見守りが大事です。
 「成功経験の不足」については、「自信の不足」と連動することですが、取り組みの開始において、子ども自身の意思で選ばせることが大切になります。子ども自身が決めて行動し、子ども自身が工夫や、やり直しなどの意思を決定できるように環境を与えるように心がけます。「やらされたことがうまくいった」というのではなく、「自分で考えてやってみて成功した」という経験を重ねられるように配慮します。
 「繰り返し(習慣)の欠如」とは、「同じことを繰り返す」という経験です。最も重要な繰り返しの経験は日常の生活リズムにあります。そこで「習慣」と言い換えることができます。子どもたちと接して感じるのは、「あきらめ癖」があらわれる子は、生活リズムが安定していないことが多いです。生活リズムが乱れるということは、物理的に肉体や精神のバランスが乱されるということです。その結果は顕著に好奇心と集中力と忍耐力に現れてきます。寝る時間、起きる時間、食事の時間、遊ぶ時間などをできるだけ一定のリズムで繰り返せるように生活を安定させると、多くの場合、子どもたちは驚くほどの好奇心と集中力と忍耐力を発揮するようになります。そうなれば、たとえ小さな行動でも、子どもにとっては大きな意味を持つようになります。

2019年04月26日