トイレトレーニングの工夫

 幼稚園や保育施設でのトイレトレーニングをいくつか紹介します。
 おトイレの際に、おむつの子もトレーニング中の子も一緒にトイレに連れていきます。おトイレをする様子を見せるためです。一人でできない子に、一人でできる様子を見せることで、子ども自身がトイレトレーニングに取り組む気持ちになることも多いです。
 おトイレの時間はほぼ毎日決まった時間に全員に促します。出ても出なくてもかまいません。決まった時間にトイレに行くことで習慣づけをします。だいたい90分~120分間隔で誘うことが多いです。習慣づけることでおしっこのコントロールができるようになります。
 おトイレに入っている時間は2~3分程度ですが、子どもにとっては長い時間に感じられます。そこで、トイレに座ったら声をかけてお話をします。歌を歌うということもあります。いずれも、2~3分間座っていられるようにするトレーニングです。ただし、「おしっこ出た?」等のおしっこに関する声掛けばかりですと、早くしなくてはいけないと子どもは緊張しますので、声掛けはリラックスさせるためです。
 トイレットペーパーは、トイレトレーニングをはじめたばかりの子どもにとってはおもちゃです。幼稚園でも、一個丸々引き出してトイレを詰まらせる子が毎年います。ペーパを引き出すためにトイレに入ることもあります。そこで、保育園などではトイレットペーパーをあらかじめ1回分に切り分けて準備していることも多いようです。まずは、使いやすい状態からはじめて、トイレットペーパーを必要な分切って拭くという練習に進むと良いでしょう。「自分でできた」という達成感を少しずつ重ねていきます。
 服は、自分でおろしやすい、脱ぎやすい、そしてあげやすい、着やすい服を選んでくださる方がよいです。きちんと拭いて服装を整えるところまでできると介助なしでトイレができることになります。服装にも「自分でできた」という気持ちを持たせやすくしてあげる工夫があると良いです。
 最後に、トイレトレーニングは失敗と挫折と停滞がつきものです。少しづつ成功体験を重ねることが大切です。失敗が続き、おトイレのたびにおしっこを拭いたりするのは大変ですが、心がけて「がっかり感」を表情や言葉に出さないようにしましょう。逆に、無理に笑顔を作ることも子どものプライドが傷つきます。トイレトレーニングはなかなかデリケートです。失敗して一番がっかりしているのは子ども自身です。失敗したときには、普段通りに「きれいにしようね」と着替えさせて、失敗を引きずらせずに気分を切り替えるようにするのが一番です。

2019年05月09日