事実に帰る

子どもの要求に、「それはできない」、「それはよくない」という事が起こります。子どもの気持ちはわかるけれども、その行動は良くないと思うことを、どのように子どもに伝えればいいのだろうと悩むことがあります。
 そんな時、私たちの気持ちは緊張して固くなり、ますます身動きできなくなるような感じがします。ただ黙って子どもの前にいる自分が子どもにとってひどい壁のように感じられて、嫌になってしまうこともあります。子どもの前で立ち往生してしまいます。
けれども、私たちは壁ではありません。子どもにとって邪魔な障害ではありません。どうしても受け入れることのできない事実の前で、じたばたしている子どもの支え手でありたいと思っているのです。さらに壁を高くしたいとは思っていません。
事実にはいろいろあります。
・目で見る事実
・耳で聞いた事実
・見て、聞いて感じた事実
・事実を知って私の中に起こった判断
子どもに対するときにも、正直に私たちが見たこと、聞いたこと、感じたことという事実を伝えることで耳を傾けてもらえます。事実を伝えることが一番子どもとの距離を近くするように感じています。子どもには事実を受け止めることが難しいように思えますが、伝え方によってちゃんと受け止めやすくすることができます。
 一方で、子どもの前で立ち往生しているに自分を弁護しようとすると「事実」よりも、「批判」、「忠告」、「強制」、「評価」を伝えてしまいます。子どもの隣に立つために事実に立ち戻ってみましょう。

2019年09月13日