真似して育つ

子どもは真似(観察学習)をすることで世界を理解していきます。その第一歩は「笑顔」だそうです。赤ちゃんの時に、おかあさんの笑った顔を見て、それを真似して笑顔を作るのだそうです。本能的なステップであっても、考えてみるとこれはすごいことです。
何より、赤ちゃんは自分を見て、正しく真似できているかを確認できません。手や足を動かすのなら、自分で見ることができます。言葉も、耳で聞いて確認できます。しかし、自分からは決して見えない顔の動きをどうやって真似ているのでしょうか。真似の第一歩として笑顔を真似るときから、人間の真似る能力はずば抜けています。素晴らしい神さまの贈り物です。
経験則ですが、真似をするときのお手本は、自分よりも2~3歳くらい年上の子が適していると言われます。兄姉のいる子の成長が、他の子よりもスムーズに感じたり、早く感じるのは身近に最適な見本となる存在がいるからでしょう。ですから、幼稚園でも異年齢の子と一緒に過ごすということが発達の助けになります。
真似をすることは、手本となる存在が属している社会規範を学ぶということです。挨拶する姿を見て、自分も挨拶を始めて、お辞儀を覚え、挨拶の言葉を覚える、等です。横断歩道の渡り方とか、手の洗い方とか、生活習慣を真似していきます。それは社会の一員として成長しているということです。
また、真似することで集団への帰属意識が育ちます。一体感を感じたり、相手に好感を持ったりといったことが起こります。幼稚園で歌を一緒に歌ったり、お遊戯をしたりして、みんなで同じことをすることで、いつの間にか仲良くなっていたりします。
真似をすることは社会生活を送るための基礎作りに大変に適した学習方法なのです。
(参考:雑誌「クーヨン」2018年4月号特集)

2020年01月16日