やすらげる場所

子どもがやすらげる家庭とはどういった場であればいいのでしょうか。
やすらげるには、まず素のままで受け入れられる必要があります。ただし、好き勝手できるということではありません。相手がどう思おうが、どんな気持ちでいようとも関係ないということではありません。このような場所では家族の誰かが居心地の悪い思いをします。居心地の悪い思いをする家族がいるところは、子どもにとって本当にやすらげる場所ではないだろうと思います。
もちろん、ケンカが絶えない環境もやすらげません。兄弟げんかが全くないということはないでしょうが、あまりにも頻繁で激しいようですと、家庭の外で過ごすのとは違う緊張感に子どもは囚われてしまいます。
また、急かしたり、注意や小言が多い家庭も、やすらぐ場所にはなりにくいでしょう。「早く片付けて」「早く食べなさい」と急かされては落ち着けません。子どものペースを尊重してあげる配慮も必要です。
子どもの話に関心を持たず、困ったことや悩み、楽しかったこと嬉しかったことを話せず、ただ同じ家にいて寝起きをするだけというように、家族が存在していてもそれぞれが孤立して関りがないところも、やすらぎの場所とは程遠いでしょう。
やすらぎの場所とは、好き勝手出来る場所ではなく、過干渉な場所でもなく、孤立した場所でもありません。やすらぎの場所とは、背伸びせず、委縮せず、本来の自分でいられる場所であり、お互いがお互いを思いやる場所です。

2020年03月10日