あまのじゃくな子

「着替えて」と言うと「着替えない」。「食べて」と言うと「食べない」。好きな遊びに誘っても「やらない」。褒めても喜ばない。そんな「あまのじゃく」な子どもがいます。
「あまのじゃく」な子というと、何でも反対のことを言いたがる性格というイメージがありますが、中には気持ちがつまずくと物事を進めることができなくなる子もいます。直ぐにすべてを解決することはできませんが、成長する中であまのじゃくな面は減っていきます。「あまのじゃく」が現れるのがどんなタイミングかで、発達を促す取り組みも少しずつ違います。
たとえば、疲れが原因となることがあります。元気に遊んでいてもその直後に疲れが出て、あまのじゃくになってしまうのです。朝の時間に弱い子もいます。十分に覚醒していないのです。
幼い時には少し頑張ると疲れ、少し休むと回復するというサイクルが繰り返されるので、あまのじゃくにあるタイミングが分かりにくいかもしれませんが、その場合はまず、生活のリズムを整えることから始めます。朝はゆとりをもって起こし、夜は早く寝かせる。たっぷりと寝る。車や自転車の移動を少し減らして歩いて幼稚園へ行く。小さな事のようですが、生活のリズムが整い、少し頑張ったら少し休憩ということを心がけていくと、次第に体力がついて、脳の働きも活性化し、疲れからくるあまのじゃくは減っていきます。
一方、切り替えが苦手であまのじゃくになってしまう子もいます。「これから着替えます」ということは、簡単なように思いますが、大人の都合やスケジュールに合わせてすぐに行動を切り替えるのは、子どもは苦手です。
できるだけ、子ども自身が見通しが立てやすいように、一日の流れを基本的に同じにします。つまり、この場合も生活リズムを整えることからはじまります。見通しを立てるために絵や写真を用いるのも良いと思います。「すぐ」に切り替えることが苦手なので、余裕をもって声をかけてゆとりを持たせます。
あまのじゃくな子は困らせたいのではなく、実は一番子ども自身が困っています。あまのじゃくになったときには、大人の側がどれだけ慌てずにいられるかが大事です。しばらく間をおくことで、気分が立ち直り、子どもも落ち着いてすべきことに心を向けられます。「しばらく間を置く」気分転換は大人にも子どもにも良いことです。着替えや食事、歯磨きなどを気分よく行えた時には沢山褒めてあげてください。自信がついて、上手になり、自分から行うようになればあまのじゃくも減っていきます。

2020年08月24日