負けず嫌い

子どもたちは勝ち負けのある遊びをします。遊びの中で負けてしまうと、癇癪をおこす負けず嫌いの子がいます。負けず嫌いは、どの子にも見られるものです。ゆっくりとルールの理解が深まったり、勝ったり負けたりの経験の繰り返しの中で癇癪のようなことは少なくなっていきます。

子どもが負けて癇癪を起こした時、「このくらいのことで、怒らないの」とか「そんなに怒るなら、もうやらない」と言うよりも、「負けるのは、嫌だね。私もそう思ったことがあるよ。でも、負けることもあるんだよ」、「勝つことも負けることもあるってわかると、もっと楽しくなるよ。そういう気持ちの練習をしてみようね」といった感情の共有をする方が良いでしょう。

個人差のあることですが、幼児期の子どもは負けをうまく受け入れられません。幼児期の子どもの思考は「自己中心的」です。負けを受け入れられないために、怒ったり、泣いたり、ふてくされたりします。それを無理に変えさせようとする必要はありません。ルールを理解して遊べるようになった子どもが必ず経験する成長段階です。ただ、普段から能力や成果を褒められてばかりだと、負けを受け入れることが難しくなる傾向があります。

幼児期には、負けを受け入れることを強制するよりも、負けた時の約束を前もって伝える方が効果的かもしれません。「負けて怒ったり、叫んだりしたら、ゲームはおしまいにしようね」とか、「負けて怒ると、楽しく続けられないから、その時はおしまいにするね」と伝えてから遊びを始めます。

負けて怒ったり、泣いたり、癇癪を起すことを、子どもの性格や人格の問題だとして非難することはよくありません。幼児期は負けを受け入れることができなくても、そのうちできるようになります。「負け」を受け入れるためには、自分の視点と自分以外の人の視点の両方を考え、自己中心的な思考から、他者を受け入れる思考をもつようになる必要があると言われています。「負け」を受け入れるためには、自分の視点と自分以外の人の視点の両方を考え、自己中心的な思考から、他者を受け入れる思考をもつようになる必要があり、その発達はゆっくりと進むものと言われています。

負けず嫌いの他にも、幼児期にはおもちゃを貸してあげられないとか、独り占めするとかいう様子も必ず見られます。逆にお友だちから取ってしまったり、譲ってもらえないと相手を攻撃するような言葉や行動が出ることもあります。

我慢をする能力の発達は遅く、成人後まで続きます。負けず嫌いや自己中心的な考え方は成長の過程です。取り合いとなるおもちゃは最初からしまっておいたり、お菓子は始めから分けておいたりして、叱って止めなければならなくなるような状況にならないように前もって工夫することも大切でしょう。あとは、冷静に心の練習ができるような言葉を繰り返し伝えることです。

2020年11月24日