詩 「重み」

「重み」
(詩・小野省子 『おかあさん、どこ』より)

自分が少し悲しむと
お母さんがすごく悲しむから
それがつらいと娘が言った

自分が泣いていると
お母さんがすごく気にするから
それが嫌なんだと 私をにらんだ

ああ こうして親たちは
やわらかな手かせ足かせとなるのだろう
あたたかな鎖をからませるのだろう

多くの子供たちが その重みで
何かを思いなおすのだろう
何かを思いとどまるのだろう
投げやりに進み始めた歩みは止めて
声をあげて引き返すのだろう

※松居和先生から「おかあさん、どこ」(詩・小野省子さん)という小さな詩集をいただきました。20冊程ありますのでご希望の方に差し上げます。ご希望の方は有馬までお声をかけてください。

2018年10月05日