親が子どもについて謙遜する必要はありません

「お子さんはとても頭が良いですね~」と褒められると、「いやいや、そんなことはありません。うちの子は全然だめで~」と答えている姿をよく見ます。

謙遜は日本人の美徳であるのと同時に、行き過ぎた謙遜は欠点でもあると思います。かくいう私も妻を褒められて、「いやいや~」と答えている自分に気づいて改善しようと努力しているところです。

親が自分のことを「いやいや~、うちの子なんか全然だめです~」と答えているのを聞いたら、子どもはどう思うでしょうか。そこに親の「謙遜」を忖度しろというのは無茶な話です。子どもは素直に、「ぼくは(わたしは)ダメなんだ」と聞いてしまうのです。親は謙遜しているつもりですが、子どもはその言葉をそのまま受け止めてしまいます。意図せず、心ない言葉を聞いた子どもの自信は大きく揺らぐことになります。

自分のことを謙遜するのは良いと思いますが、子どものこと、パートナーのこと、身内のことを卑下して扱う必要はありません。

特に、「良くできるお子さんですね~」と、子どもが褒められたなら「ありがとうございます。この子は私もびっくりするくらい一生懸命練習していましたから、とてもうれしいです」と満点に肯定してあげた方が良いのです。「可愛いお子さんですね~」と言われたら、「ありがとうございます。本当に可愛くて可愛くて、私、この子が大好きなんです」と言ってあげてください。

特に幼い子は大人の会話がわからないと思っていると、何気ない一言が子どもにとって大変な重荷となってしまうことがあります。逆に、子どもの味方である親の一言が、子どもの短所を長所発見の糸口に変え、長所をさらに育てます。

2018年12月17日