家庭でルールを考えてみましょう③

家庭のルールを決めるときには、家族にとって大事なことは何かをまず決めるとよいでしょう。最も大事な原則ですから多くても3つぐらいにしましょう。これは子どもの年齢が上がっても変わることのない原則です。例えば「互いを尊敬し、大事にする」といったことです。宗教的な言葉で表されるものでも良いと思います。例えばキリスト教徒であれば、イエス・キリストの「互いに愛し合いなさい」という言葉でも良いと思います。

余談ですが、親が何らかの宗教の信仰を持つのであれば、幼い時からきちんとそのことを伝え、子どもも信仰を持つように育てるべきだと、わたしは考えています。信仰は生き方の土台であり、有形無形に人生を導き支えるものです。自分の人生を預けている大事なものを子どもに伝えられないのはおかしなことです。親が「わたしは~を信じている」、「信じて幸せに生きている」、「あなたにも幸せになってほしいから、信じてほしいと願っている」ということを折々に伝えるべきです。

話をルールを決めることに戻します。家族の原則を定めたら、次に「やるべきこと」をルールにします。家族の原則を守り、達成するために何をするべきかを考えます。この場合も、細かすぎると子どもは嫌になるでしょうし、親も守ることが難しくなってしまいます。

次に「やってはいけないこ」をルールにします。同様に多すぎると家庭が息苦しくなりますから、「絶対に」やってはいけないこと、に限定するとよいでしょう。

子どもが幼いころは、ルールは簡単で少なくすべきです。「やるべきこと」であれば、「家族に自分から『おはよう』と『おやすみなさい』を言う」というルールだけでも良いのです。ルールを決めて「守ることができた」という自覚を持たせることが大事です。ルールを毎日守ることで自信と達成感を得ます。達成感というのは何も大きなイベントによるものである必要はないのです。小さな達成感を重ねることも大事なことです。

良いルールは良い習慣を作ります。幼い時から大人になっても通用する生活の習慣をルールとすることで、良い習慣が人生に定着します。良い習慣を持つ人は、往々にして尊敬を得ます。

ルールを守るということは、ルールによって形づくられた集団の「正式な」一員となるということです。子どもは大きくなるにつれて様々な集団に加わる経験をします。集団の中では責任感や自制心を求められます。そのための訓練になります。

決めたルールは家族全員が守ることが原則です。それによって子どもは自分が家族の一員であることを自覚しやすくなります。そして、ルールがあることで家族の間で問題が生じたときに解決の道筋が明確になります。

2019年01月28日