自己肯定感の揺らぎ

以下のような様子が子どもに見られたら、少し気を付けておいた方がいいでしょう。
・常に人の目を気にして、人との比較で物事を考えることが多い。
・自分より劣る人に対して、見下す傾向がある。
・自信がないため、人の言葉に傷つきやすい。
・何かをやり始める前にあきらめてしまう。
・人の批判が多い。
・自慢話が多い。
・必要以上に自分の失敗を責める。
・褒められても、素直に受け止められない。
幼児のことですから上記のようなことがその子の性向であると決めつけることはできません。ただ、一時的にせよ自己肯定感が揺らいでいる時に上記のような様子を見せることがあります。その原因は一概には決められませんが、子どもに様子が気になったら、まず子どもへのアプローチを見直す機会だと思われるといいでしょう。
 自己肯定の反対は、言葉にすると「自己否定」になるでしょう。つまり自分が嫌いで、自分が受け入れられないという状態です。
「まだ出来ないの!?」「やっぱりだめね」、「本当は男の子(女の子)がよかったのに」、「どうしてできないの!?」といった今の自分の存在を否定するような言葉は子どもの自己肯定感にマイナスの影響を与えます。また親や保護者が完璧主義で、子どもができる範囲で一所懸命やっているのに何度もやり直しをさせたり、子どもの努力を認めずに結果だけを見て「100点でなければ意味がない」といった否定をしたり、兄弟や他の子と比べて「~ちゃんはできるのに、なんでダメなの」と比較をすると、いともたやすく子どもの自己肯定感は揺らぎます。
自己肯定感の揺らぎを感じたら、まず周りのことに関係なく、子どもを一人の人間として認めることです。自己肯定感とは自分の存在そのものが大事だと思えるということで、そこに他人との比較は必要ありません。
自己肯定感の高い子は、おおむね逆境に強い子です。やり遂げようとする意志が強いので、結果的に学びの成果を得やすくなります。実力を得、実力に基づく達成感からさらに自己肯定感は高まります。他人と比較することで自分を守る必要がありませんから、他者の存在を受け入れることが容易になります。人の話を聞くことができるようになります。そうなると自然に人が集まり、さらに良い環境が形成されます。自己肯定感は傲慢とは違いますから、いくらでも高めてあげて良いのです。

2019年04月15日