ケンカの仲裁はしない

子どもが一緒にいれば、間違いなく諍い、ケンカが起こります。子ども同士のトラブルは成長のために必要な経験です。ケンカは怪我に繋がる、ということで直ちにやめさせたり、大人がどっちが正しい、どっちが悪いと決めてしまうと、子ども同士で解決する経験を持てません。ケンカも立派な社会経験であり、人間関係の経験であり、自己主張と共有と譲歩の経験です。どうしたら子どもたちを暴力ではなく、解決に意識を向けられるでしょうか。
ケンカが始まると、子どもは大人の仲裁を期待するところがあります。しかし、大人の仲裁に納得できるのは、ケンカをしているどちらかの側の子で、「あなたが悪い」とされた子は納得いきません。大抵の場合、大人はケンカが始まってから子どもに注目しますから、ケンカの原因について実は見ていないことが多いのです。この辺を計算して言い訳を始めるという子も現れます。いかにすれば大人を味方につけられるかを学んでいる子です。そこで、「ケンカを見るのは気持ちが良くないので、ケンカは外でやってください(あっちでやってください)」と伝えます。子どもを脅してはいけません。冷静に伝えます。ケンカを止めてもらえず、大人を味方につけられず、外に出されてしまうとなると、子どもたちは途端に「ヤバイ」と思うようです。そこで話し合いが始まることが期待できます。もちろんこれは万能の手段ではありませんが。
基本的に、子ども同士のトラブルは手加減のない暴力に発展しないよう気を付けなければいけませんが、大人は我慢して「見守る」のがベターです。お友だちと遊ぶようになった子どもには少しずつ確実に解決能力が育っています。

2019年06月15日