習慣を得るために

月曜日の朝は、登園してくる子どもの中に明らかに不機嫌な子がいます。普段と違う週末のスケジュールを過ごして寝不足になっていることが多いです。幼児期の子どもにとって十分な睡眠をとることは、場合によっては食事よりも優先させなければならないくらいに大事なことです。
しかし、なかなか子どもが寝てくれない、という悩みを持つご家庭も多いと聞きます。睡眠は習慣ですから、原則は「一定」であることです。寝る時間を一定にし、起きる時間を一定にします。その際に、寝る前15~30分を絵本を読んだり子どもとお話しをして、子どもと向き合う濃厚な時間を過ごし、時間になったら寝るということを習慣にされるのがよいでしょう。
統計を取ったわけではありませんが、意外と多くの家庭が寝る時間を決めていなかったり、布団に入ってから親が遊びに付き合ってしまったり、ということで「一定」していないことが多いように感じます。本当は、布団に入ったら子どもに何を要求されても相手にせず、つまらない感じで、鈍い反応しかしない、という方が子どもの寝つきのためには良いのです。ただ意外とこれができないのです。
出来ない理由はなんでしょうか。その大きな要因は罪悪感ではないかと思います。親はとても忙しいです。朝は、慌ただしく幼稚園に送り、幼稚園の後も気がつけば、「早くしなさい」、「ちゃんとしなさい」、「~をして」、と指示や命令ばかりとなりがちです。そのためちゃんと子どもの相手をしてあげられないという後ろめたさを感じられるのでしょう。子どもも親との時間に満足していないので寝る前にいつまでも遊ぶことを要求します。
寝る前に濃厚な15~30分を子どもと過ごすのは、親がその日の子どもとの時を後悔しないためでもあります。そうして一定の「これ以上はできない」という枠を親がきちんと決めて伝えておけば、子どもは自分でスケジュールの中で動くようになります。
後ろめたさや罪悪感のために、様々な場面で知らず知らずのうちに家庭の主導権を子どもが握ってしまうことがありますが、「寝ると言ったら絶対なんだ」というような主導権はしっかりと親が持つことで子ども自身が「自分の習慣」を獲得できます。

2019年06月28日