間違いを指摘するタイミング

子どもたちのためにご家庭でおもちゃを準備することがあるでしょう。幼稚園でもおもちゃを準備しています。おもちゃには遊び方の決まっているものが多くありますが、幼児が取り扱い説明書を読んでおもちゃで遊ぶということはありません。感性で遊び方を捉えて勝手に使っています。
それが知育玩具のようなものであると、与えた大人は「違うよ、こうやって遊ぶんだよ」と間違いを指摘したくなります。ルール通りの方が「正しい」遊び方だという先入観があるからです。さらにルール通りにすることで「知恵がつく」と思うからです。しかし、こういう場合は間違いを指摘せずにいましょう。子ども自身が間違いに気づく時がくるからです。子ども自身が間違いに気がついてルール通りにした時に、知育玩具は初めて本来の想定している可能性に向かいます。
年中から年長の頃には、文字を書き始める子がちらほら見られるようになります。よく見られるのが「鏡文字」です。その際に、目指したいのは「自分で気づく」ということです。自分で気づかせるには工夫が必要ですが、例えば見本と合ってるかどうかを自分で丸付けをさせてみたりするといった方法があります。できるだけ子どものプライドを尊重することで、嫌になって文字そのものを敬遠させないことが大事です。
そして、これが一番根気のいるところですが、間違いに気づく工夫をしてもなお気がつかないときは、「まだ、間違いに気づく段階に達していない」ということですから、待たなくてはなりません。間違いに気づく段階に至らないと、「違うよ」と言っても理解できないのです。
考えてみれば、大人同士でも間違いを指摘することは大変デリケートな行為です。プライドが高く、これから成長をしていこうとする子どもを相手にするときには、なおさらデリケートかつ根気が必要になります。

2019年07月13日