生活リズムを整える

まもなく新学期の始業式を迎えます。長期の休み中は生活リズムが崩れてしまいがちです。4月から幼稚園に入園なさる方も、入園への準備として生活リズムを整えることは大事なことです。そこで生活リズムを整えることを考えてみましょう。
私たちが健康に、元気に過ごすために生活リズムを整えることが欠かせません。不規則な生活リズムは私たちに大きなストレスをもたらします。しかもそれは多くの場合、本人には無自覚なうちに蓄積していきます。
子どもが元気に、生き生きと、そして満足して毎日を過ごすために生活リズムを整えることは欠かせない準備です。子どもの場合は、生活リズムを崩すとすぐに分かることが多いです。週明けに幼稚園で子どもたちを迎えると、理由もなく愚図ったり、落ち着きのない様子を見せたり、どうしても母親から離れなかったり、集中力がなかったり、癇癪を起したり、様々な言動の中に普段とは違う違和感が現れています。
生活リズムを整えるというのは、何も決まった時間に決まったことを必ずしなければならないということではありません。睡眠、食事、排泄といった基礎的な生活習慣の調和がとれている状態ことが理想です。
幼児期の子どもの一日の活動を考えるときには、「睡眠(および起床)」を第一にして生活リズムの調和をはからことが望ましいです。幼児期はあらゆる意味で発達の著しい時期です。スムーズに十分な睡眠をとることができ、心地よく目覚める生活を送ることができれば、他の生活習慣もスムーズに過ごすことができます。
生活リズムが整っているかを知る上で、指標となるのが子どもの体温です。そこでご家庭でも体温を測ることをお勧めします。可能ならば朝晩の2回。特に病気とは思えないのに年齢に対して低体温であったり、起きた直後の体温が昼間より高かったり、就寝前でも体温が下がらないといった時には、子どもの体内時計と実際の生活リズムが大きくずれているということです。このずれは成長ホルモンのバランスを崩すといった形で子どもの成長に影響を及ぼしますが、睡眠を軸として、食事、排泄、運動(遊び)といった生活リズムが整うとバランスを取り戻すことができます。
生活リズムを作るときのコツの一つは、メリハリのあるリズムを作ることです。集中して過ごす時間があるならば、開放的に自由に過ごす時間を持つこと。たっぷりと活動してお腹をペコペコにすること、食べるときには満腹になること。これらは順序がひっくり返ってもいいものです。満腹するまで食べた子が、その後お腹がペコペコになるまで遊び抜く一日があってもいいのです。大事なことは決まった時間に決まった順序で行うことではなく、生活の調和です。メリハリがあると子どもにとって満足感のある一日が作られていきます。
生活リズムを整えるときの大人の役割は、子どもたちに受け入れやすい生活リズムを考えることです。睡眠の他に、子どもたちの自発的な遊びの時間が確保されることも望ましいことです。生活リズムに沿った流れの中で過ごすことは、子どもたちにとって心地よい環境です。
幼児期の子どもの生活リズムを作る時に注意したいのは、言葉ではなく、大人が態度で心地よい生活リズムをうながすことです。さらに大人自身の行動で生活習慣を見せることができれば、心地よい生活リズムの中で、片づけや着替えやお手伝いといった基本的な生活スキルを子どもたちは身につけていけます。
最後に、当たり前ですが習慣は継続することで真価を発揮します。継続するために始めから欲張って予定を詰め込み過ぎないようにしましょう。最初は睡眠のリズムを整えるだけで十分です。

2020年01月06日