リーダーとしての大人

大人が良いリーダーとして子どもと接することは、子どもの心の安定につながります。

一般的に良いリーダーとは、自分の責任で決断をくだし、同時にそれをチームと共有して統率できる人を指します。反対に、上から支配する独裁者のようなリーダーや、何でも要求を受け入れてあげるリーダーは望ましくないとされます。

子どもにとっての良いリーダーとは、子どもに向き合い、気持ちに寄り添っても、必要な制限を設け、子どもに道標を示す様な大人のことです。良いリーダーは、子どもの「自分でやりたい」という気持ちを尊重します。同時に、自由に振舞うことに伴う責任の大切さを伝わるように示します。また、子どもをチームの一員として迎えているので、頭ごなしに批判したり、子どもの意見を軽んじたりせずに、向かい合って話し合う姿勢を持ちます。一緒に解決策を見つけ出そうとします。

子どもは叫んだり、叩いたり、蹴ったり、癇癪を起したりと、気持ちのコントロールができない事もあります。そのようなときにリーダーとして大人がしっかりと受け入れてくれると、子どもは安心感を得られます。

リーダーとして子どもと接する時の一つの心構えは、リーダーとして正しく期待し、正しく要求することを意識することです。

子どもは年齢や環境によってできることが異なります。一人ひとり違います。兄弟姉妹であっても違います。そこで、その子に合わない期待や要求をしないことが大切です。

生まれたばかりの子に走ることを要求することは、おかしなことです。これほど極端でなくても、大人の都合で非現実的な要求をすることは結構あります。特に、「ちゃんと」やることを要求してしまうことがあります。

子どもを信じることは大事なことです。しかし、非現実的な要求をすることは信じることとは違います。「~しなさい」、「~しない」と要求する前に、それが子どもの成長段階にあった期待と要求であるのかを考えてみることが大切です。

最後に、良いリーダーは目先の行動の成功失敗にではなく、それが子どもの将来にどう生かされていくかを考えたいと思います。つまり将来の子どもの姿に思いを向けます。自分の声掛けや行動が、子どもの将来に貢献するものとなるように、自分自身もリーダーとして成長することを期待してください。未来を創るために、子どもと一緒にチームを組んでいることを大切にしてください。

2020年10月19日