挨拶

「ごあいさつ」を大切にする幼稚園は多くあります。西荻学園幼稚園も大切にしています。毎朝の幼稚園の門で子どもたちと「おはようございます」とお辞儀をして挨拶します。挨拶をする子もいれば、しない子もいます。お辞儀はするけど声を出さない子、反対に声は元気だけれども顔は横を向いている子等、様々です。一緒におられる保護者の方も、挨拶についての考えは様々のようです。叱る方や強要する方もいますし、苦笑いをしている方もいます。ただ概ね親はしっかりとした手本となる挨拶をしてくださいます。

私自身は、強要しては挨拶の基本から外れるだろうと考えています。強要して挨拶を嫌うようになってはもっと大事なことを失わせてしまいます。同じ子でも気分がいい日もあれば、しぶしぶ幼稚園に来ていることもあるのですから、無理強いは必要ないでしょう。ただ、挨拶がコミュニケーションのために重要であることを教えることは大切です。

教えると言っても、難しいことではありません。親が挨拶をして「幸せ」や「うれしい」が生まれることを見せればよいのです。挨拶のアクションはおよそ単純なものですから、手本となって動きを見せ、言葉を聞かせるのです。

挨拶はコミュニケーションの基本です。コミュニケーション力がなければ、意思疎通ができませんし、関係を作れませんし、それは自分自身の生きにくさに繋がります。

相手の目を見て「笑顔」で挨拶する、というのは殆どの国で通用する行動です。笑顔は「自分はあなたに敵意を抱いていない」というアピールです。コミュニケーションの基本です。

逆に、この基本ができていないと良好な人間関係の輪の中に入れてもらえません。笑顔一つで人間関係が損なわれ、ひいては人格形成に影響が出てくるのです。大人になって仕事をするようになれば、笑顔がなくて取引先を失った、仕事を失ったということが実際に起こりうるのです。挨拶を軽く考えてはならないということです。

その他にも、相手を見て話をする。自分の考えを正確に伝える。人の話を最後まで聞くといった人づきあいのルールを子どもが知るのは、親の姿からです。

子どもはまず親の真似をして成長します。親子のしぐさや表情、話し方、身振り手振りはそっくりなことが分かります。親がコミュニケーションについてよい手本を意識すれば、子どもはそれをちゃんと受け取ります。後は、子ども自身の「気分の問題」ですから、今日できなくとも深刻に心配することはありません。必ず挨拶をするようになります。後は挨拶という習慣を子どもがいくつになっても「軽視」しないことが大切です。

2018年12月10日