家庭でルールを考えてみましょう②

個人差のあることですが、3歳~4歳ぐらいまではルールを自発的に理解し、守るための自制心の発達が未熟です。言い換えると「我慢する」ことが苦手です。ですから、大人が何度も手本を示してルールを守ることを教える必要があります。しかしその後(だいたい4歳以降)、自制心がある程度育つと、きちんと子どもが受け取れるようにルールを示せば、子どもの欲求は「ルールを守る」方に熱心になります。さらに成長すると自分たちでルールを決めたり、ルールを変えて一層適したルールを作るということもあります。

ルールを作り、子どもがそれを守れるようにするために、3つのポイントがあります。

① ルールは少なくすること

② ルールの内容は年齢相応にすること

③ ルールを決める話し合いに子どもも参加させること

ルールは少ない方が効果的です。たくさんのルールをつくってしまうと、禁止されたり、叱られるばかりになります。それではうんざりしてしまいます。たくさんのルールは逆効果です。そこで、子どもも参加する家族の話し合いで、「本当に大切なこと」は何かを定めるとよいでしょう。「本当に大切なこと」はしっかりと守らせます。それ以外のことは自主性に任せます。

ルールの内容は子どもの年齢に合わせて考えましょう。知識や理解力を超えたルールは守りようがありません。まだ空を飛べない雛に、「空を飛ぶのが鳥である」というルールを与えるのは、おかしいでしょう。ましてやそのルールを守ろうとして飛べない雛が空を飛ぼうと巣から飛び出したら、取り返しがつかない事態だって起こります。ルールを決めるときに、不可能な背伸びを要求しては無意味どころか有害です。

そして、最も大切なのが、ルールを決める話し合いに子どもを参加させることです。言い換えると、子どもの知らないところでルールを決めて、押し付けることをしないということです。幼い子は、自分の意見を言ったりすることはできないことが殆どでしょう。しかし、自分も参加した話し合いで決めたことというのは、つまり「自分で決めた」ということです。ルールが最大の力を発揮するのは「自分で決めたこと」という土台がある時です。話し合いに参加することで、家族の中で自分に何ができるのかを考えるようになります。子どもなりに「家族」という正解のないチャレンジに参加します。4歳を過ぎるころにはこうした話し合いに加わることができるようになります。

ルールを一緒に考えることは、自分も家族のメンバーであることを自覚させます。頼るだけでなく、家族のメンバーとしてルールの中で役割を得、「頼られる」ことで健全な自信が育ちます。これはとても大切なことです。

2019年01月25日