生活のリズム

私たち人間は、それぞれにふさわしい生活リズムをもって生きています。リズムは生活習慣によって作られていきます。

健康な人は、多くの場合、日々の生活を快適にする生活のリズムをもっています。もちろん不規則な日もあるでしょうが、およそ食事、睡眠、日中の活動についてリズムを持っています。

食事は、栄養を考えて摂ることはもちろん大切です。それと共に食べることは心に喜びをもたらすものです。喜びをより大きくするため、あるいは悲しみを癒すために美味しいものを食べます。願わくは、食卓を囲んで家族が会話することができれば素晴らしいと思います。心を豊かにするために食事は大切な生活習慣ですから、食事時間も習慣化して生活のリズムを作ることが良いでしょう。

睡眠も食事と同様に活動の基礎です。トータルの睡眠時間とともに、夜は何時に寝て、朝は何時に起きるという毎日の規則的な習慣は子どもの心身の健全な発育のために非常に重要なことです。この「非常に重要」ということを真剣に受け止めてほしいと思います。幼児期の心身の発達の著しい時期に、脳や身体はリズムをもって活動し、順序正しく成長していきます。リズムが狂うということは、この「順序正しく」という成長が乱れるということです。具体的にはホルモンバランスが崩れます。子どもたちの脳や身体の成長は必要に応じたホルモンが多すぎず、少なすぎず、最適な量が分泌されることで健全に発達成長します。そのバランスの重要性は身体の成長発達期を過ぎた大人の比ではありません。よい睡眠のリズムはあらゆる行動に関係し、目覚めている日中の活動に力を与えてくれます。これまで、子どもの自主的な活動や、能力の獲得ついて様々書いてきましたが、それらは「良い睡眠習慣」があることで満たされるのです。子どもにとって規則的な睡眠がどれほど大切かは「寝る子は育つ」という格言もあるほどに、どの時代の親たちも肌で実感してきたのです。

最後に、幼児期の子どもが健康的な生活リズムを構成するときに不可欠な要素は「遊び」です。ほとんどの生命体は、規則正しい活動を繰り返すことによって生命を保ちます。幼児期の子どもにとって、食事と睡眠以外の生活リズムといえば、何といっても「遊び」です。

食べる、眠る、遊ぶという三つの要素が生活の中でリズミカルに定着することが、子どもが健康で幸福な日々を送る上でとても大切なのです。

2018年11月12日